パインブックの新商品ができるまで

パインブックの新商品ができるまで

はじめに

パインブックでは、年に4回、新商品をお届けしています。 新商品を作るにあたって、「こんな商品があったらいいな!」というアイデアが実際に形になるまでには、たくさ んの試行錯誤や工夫が必要です。

そこで今回は、そんなパインブックの新商品がどのようにして誕生するのか、その舞台裏をご紹介します。 このコラムを通して、商品ができるまでのプロセスを知っていただき、パインブックの文房具をもっと身近に感 じてもらえたら嬉しいです。

1. 新商品開発の大まかな流れ

①まずはネタ探しから

商品は、何もないところから突然生まれるわけではありません。 企画メンバーは日頃から、トレンドやユーザーの声にアンテナを張り、アイデアの“種”を探し続けています。 定期的に市場調査に出かけたり、SNSで情報をチェックしたりしながら、今どんなモノや使い方が注目されて いるのかを探っていきます。

特にInstagramでは、おしゃれで可愛い手帳デコや、文房具の便利な使い方を紹介している投稿がたくさんあ りますよね。 そうした投稿を見ながら、「こんな商品があったら面白いかも!」「これは意外と需要があるかも?」と、少しずつ アイデアをふくらませていくのです。

②企画案の作成

新商品のアイデアが生まれたら、次はそれを「企画案」として、イラストや文章にまとめていきます。 このとき大切なのは、見る人にイメージがしっかり伝わる企画書を作ること。簡単なスケッチだけでなく、使用シーンやパッケージを含めたイラストがあると、より具体的なイメージを共有しやすくなります。 また、「どんな人に向けた商品なのか」「どんな場面で使われるのか」といったターゲットや使用シーンも、しっかり設定しておくことが重要です。

そして、スタッフそれぞれが作った企画書を持ち寄って開かれるのが「新ネタ会議」。この会議は定期的に開催 され、みんなが自分の企画をプレゼンします。各案を見ながら「アリかナシか」を話し合う中で、意見がぶつかり 合い、まるで化学反応のように新しいアイデアが生まれることも! さらに、この会議には企画メンバーだけでなく営業スタッフも参加して、さまざまな視点から意見を出し合います。 こうして社内でしっかり検討を重ね、「これならいける!」と判断された企画が、いよいよデザイン制作のステップ へと進んでいくのです。

③デザイン制作

どの企画案を進めるかが決まったら、いよいよ具体的なデザイン作業がスタートします。 商品の使いやすさを考えながら、色づかいやイラスト、文字の配置などを細かく調整していきます。また、形やサイズ、素材、そしてパッケージデザインに至るまで、細部にまでこだわって仕上げていきます。 このとき大切なのは、ターゲット層や想定される使用シーンにしっかり合ったデザインにすること。デザイナーは市場調査をしたり、トレンドの傾向をチェックしたりしながら、時代に合った魅力的なデザインを目指していきます。 デザインの制作段階でも、企画や営業メンバーと何度も意見を出し合いながら、商品をより良いものにブラッシュアップしていきます。

④試作品の作成と検証

商品のデザインがある程度固まったら、次は実際に「試作品」を作ってみます。 この段階の目的は、イメージ通りのデザインや機能がきちんと形になるか、そして使ってみたときに問題がないかをチェックすることです。

試作品では、以下のようなテストを行います:

◆ 耐久性のテスト

例えばクリップなら、書類をしっかり挟めるか、開閉が固すぎないかなどを確認。 シールの場合は粘着力をチェックします。「しっかり貼れるか?」「貼ってはがせるタイプは、本当にきれいにはがれるか?」など、実際の使用感を細かくテストします。

◆ 視認性のテスト

フォントのサイズや印刷の鮮明さ、色の濃さなども重要なポイントです。素材や印刷方法によって色味が少し変わることもあるため、イメージと実物にズレがないかも確認します。 また、素材選びに迷っている場合は、異なるパターンで複数の試作品を作り、実際に手に取りながら比較して、ベストなものを選んでいきます。 実際に形にしてみると、「あれ?思ってたのとちょっと違うかも…」なんてこともよくあるんです。 だからこそ試作を通してしっかりと検証し、より良い商品に仕上げていくプロセスはとても大切です。

⑤量産と品質管理

試作が完了し、最終的なデザインや仕様、素材が決まったら、いよいよ本格的な量産のステップへと進みます。 生産ラインでは、品質にばらつきが出ないように、細かな部分まで丁寧にチェックを行います。 たとえば印刷のズレや色ムラがないか、カットの精度が安定しているかなど、ひとつひとつ確認しながら進めていきます。 また、パッケージデザインも最終調整を行い、お店の売り場でしっかり目を引くデザインになっているかを再確認します。 その裏側では、販促用のPOPや商品カタログの制作、カタログに掲載する商品のイメージ撮影なども並行して進められています。

⑥販売開始

全ての準備が整ったら、いよいよ店頭やオンラインショップで商品の販売がスタートします。 より多くの方に商品を知っていただけるように、instagram、YouTube、TikTok、Xなどでは発売前後に商品紹介の写真や動画などをこまめに投稿しています。 また、実際に商品を購入してくださったお客様のレビューやフィードバックも重要です。 良い意見も改善点もスタッフで共有し、次の商品開発に活かしていきます。

2. 新商品を作る上での大変なこと・嬉しいこと

①大変なこと

商品開発は、いつも理想通りに進むわけではありません。 コストや生産の都合で、思い描いていた仕様がそのまま形にできないこともあります。 とくに、特殊な加工が必要な場合は、一度の試作ではうまくいかず、何度もサンプルを作り直すことも。 そのため、予定以上に時間がかかってしまうケースも少なくありません。 さらに、文房具の世界にはすでにたくさんの商品があるため、他の商品との差別化も大きな課題です。 「パインブックらしさ」や「ここにしかない魅力」をどう打ち出すかは、企画段階から常に意識しています。

②嬉しいこと

何度も試行錯誤を重ねて完成した商品が、ついに発売されたときの喜びは格別です! とくに、自分がはじめてデザインや企画を担当した商品が、実際にお店に並んでいるのを見たときの感動は、 今でも忘れられません。 また、SNSやオンラインショップで「かわいい!」「便利!」といったお客様のレビューを見つけると、「頑張ってよかった!」と心から思えます。 さらに、ヒット商品になれば、改良版やシリーズ展開といった新たなチャレンジにもつながります。 より多くのお客様に楽しんでいただけるチャンスが広がるのも、大きなやりがいのひとつです。

3. まとめ

ここまでご紹介してきたように、パインブックの新商品はたくさんの試行錯誤と工夫を重ねて生まれています。 アイデアの発掘から商品化、そして販売に至るまでには多くのスタッフが関わり、決して平坦な道のりではありません。 それでも、お客様から「使いやすい!」「可愛い!」といった声をいただける瞬間が、私たちにとって何よりの励みになっています。 これからも、「こんな文房具が欲しかった!」と思っていただけるような商品を、心を込めてお届けしていきます。 スタッフ一同、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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